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<<不動産の競売とは>>
競売という言葉をよく耳にすると思いますが、不動産の競売には大きく分けて2種類の競売があります。1つは、担保権の実行による競売、2つ目は強制競売です。件数が多いのは担保権の実行による競売です。どちらも、債権者が債務者の不動産を強制的に売却して債権を回収するという意味では同じですが、手続きの流れと回収できる範囲が異なります。
担保権がない(抵当権が設定されていない)場合は、不動産競売を含む民事執行法の手続を実施するためには、確定判決の正本や和解調書、公正証書の正本等(債務名義といいます)が必要です。つまり、多くの場合では、民事訴訟を提起して勝訴判決を取得する等の手続が必要になります。さらに、他に権利を主張する債権者が存在し、競合する場合は、売却代金が各債権者の債権額に按分して配当されるため、回収できる金額も少なくなります。
一方、担保権(抵当権)の実行による競売の場合は、抵当権の設定された登記事項証明書(不動産の登記簿謄本)の存在により、債権の存在が明らかですので、別途債務名義を取得する手続が不要です。しかも、抵当権は優先債権のため、他の債権者に優先して、売却代金の全額から弁済を受けることができます。抵当権は簡易な手続で競売を実施でき、かつ優先的に弁済を受けることができる非常に強力な権利であるといえます。
競売が実施されると、裁判所の関与のもとで、所有者(債務者)の意思とは関係なく、第三者に不動産が売却されます。その結果、債権者は売却代金から債権を回収し、債務者は不動産の所有権を失います。債務者は買受人から立ち退きを要求され、任意に立ち退かない場合は、引渡命令による強制執行によって力ずくで追い出されることになります。
最近では、競売手続にかかる時間も短くなってきました。競売の手続中は住宅ローンの支払いをせずに住み続けられますが、のんびりしていると、何の準備もできないまま追い出されることにもなりかねません。そんなことにならないように、事前に準備をしておくことが大切です。